姉と妹は母と、私は父と、それぞれ仲がいい。
去年の秋、父が亡くなった。
父の携帯は解約したけど、家で話す相手のいない私は父のメアドにメールを送った。
「パパに会いたい」「パパ助けて」「もう死にたい」…
宛先不明で返って来るのに、バカみたいに泣いて何通も送っていた。
受験前、母からメールが入った。
タイトルは「パパより」
もう正直、最初は「はぁあぁっ?」って感じで本文を読む気にもなれなくて放っておいた。
でも、なんか、試験の前日になってメールを開いたら
「パパはいつでも君を見ています。
パパは今も君の傍にいます。
君はパパの宝物、
いつまでもいつまでも愛しています。」
「なんだよ、パパのフリしてんじゃねーよ、バーカ」って言いながら、涙が止まらなかった。
家に話す相手がいないのは、私が話しかけなかったから。
話しかけられても、私が無視していたから。
本当はみんなわかってたけど、自分からは何も変えられなかった。
このメールはそんな私を心配して、パパがママの心を通じて送ってくれたメールなんだ。
母のアドレスの父に、私は返信した。
「パパ、私は大丈夫だよ。大好きな家族がいるからね」
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